【ドルフロ】銃を持った人形少女たちが、近未来SFさながらの世界を駆ける

実のところ、このゲームに多く登場する美少女たちの大半は人間ではない。
「戦術人形」という、戦闘用ガイノイドである。
よって、彼女たちは死ぬ。使い捨ての駒として死ぬ。
ゲーム上ではコミカルにちびキャラがばたんきゅーするだけだが、実は戦死である。

 

しかも、彼女たちは人形であるから、記憶や意識は外部に保全されている。
そういう形で量産化され、何度でも戦う。

重い!
設定が重い!

 

そうでしょう。
お分かりになられましたか。
なのに、ゲーム自体はすごく明るく進行します。
何なら水着イベントはみんなセクシーで、ネット上にはエッチなイラストもたくさんあります。

 

けれど、人形の彼女たちは民間軍事会社グリフィンに所属し、暴走した鉄血工造の人形と戦いを重ねていくのです。
そもそも、メインストーリーの中で自爆特攻をするあたり、かなりヤバいとしか言いようがありません。
そりゃあ、アニメでも『Vガンダム』なんかはやっていましたが……。

 

ドールズフロントライン。
まさしく少女たちにとっての最前線であり、最前線に送り込まれる少女たちの物語なわけですね。
開発は中国のSunborn社。中国語表記だと「上海散爆網絡科技有限公司」となり、かなり派手な印象です。
『ドルフロ』を開発するのにふさわしい名前と言えるでしょう。

 

中国本土でのタイトルは『少女前線』で、日本でもこの名前でリリースされる予定でした。
ただ、リリースにまつわるいざこざや方針の変更などが有り、最終的には『ドールズフロントライン』と改題した形になります。

 

それにしても、最近の中国製の美少女モノはとにかく攻めています。
単なるキャラゲーで終わってたまるかという野心があると言っていいでしょう。

そこに予算をどんどんつぎ込み、自分たちの「好き」を表現する。
人の心を掴む創作とは、かくあるべきなのかもしれませんね。

 

事実、このゲームも元々はSunbornが「散爆網絡」という同人サークルだった時代に発表した同人誌、『軍武機械娘』が原型となっています。
同人サークルから出発したゲームが大いに評価されるあたり、Fateシリーズを擁するTYPE-MOONと非常に似ていると言えるでしょう。

 

 

 

実在の銃が美少女化した異色の話題作

ドルフロの舞台は近未来の世界。
2045年に第三次世界大戦が勃発し、既存の国家の影響力は著しく減少。

 

このことがあって、民間軍事企業、いわゆるPMCが台頭したという設定になっています。
それらの背景には1905年に謎の古代文明の遺跡から発見された超技術が関わっている、というSF好き垂涎の話も。

 

 

ともあれ、よくよく練られた物語があるということです。
ただ、本筋はあくまで「暴走した鉄血の戦術人形に対し、グリフィンの新任指揮官であるプレイヤーと戦術人形たちが立ち向かう」構図になりますね。

 

では、ガイノイド、すなわち女性型アンドロイドである戦術人形について話をしましょう。
彼女たちはいずれも実在する銃をモデルとして美少女化されています。

雑な表現をしてしまえば、「艦これが艦娘なように、ドルフロは銃娘である」と言う説明になってしまいますね。
人形はいずれもモデルになった銃を所持しており、これによって鉄血と戦っていくことになります。

 

その人形たちの数がとにかく豊富!
すなわち、モデルになった銃がとんでもなく多いということも意味します。
銃の種類は6つに分けられます。並べて書き出してみましょう。

 

■ハンドガン:小隊をバフする能力に優れ、夜戦において広い視界を持つ。
■サブマシンガン:HPと回避能力が高く、前衛に向いている。
■ライフル:一撃の攻撃力が高い後衛型。単体攻撃には特に優れる。
■アサルトライフル:最もバランスが取れており、扱いやすい。
■マシンガン:激しい連射性能を持つが、長めのリロードの間は攻撃ができない。
■ショットガン:HPがずば抜けて高く、防御も可能な前衛タイプ。散弾同時攻撃が可能。

この中で、レア度が★3のアサルトライフルだけ抜き出してみますね。

・AK-47
・StG44
・FF FNC
・OTs-12
・CZ-805
・ARX-160
・6P62
・AR70
・T65
・03式

 

こんな感じ。
なぜ★3ARにしたかというと、ソ連娘のAK-47がおすすめだからです。
なおキャラデザとキャラストーリーが好きなだけであって、実のところ性能は★2に近いという……。

 

とはいえ、世界で最も多く作られたアサルトライフルであり、ソヴィエトロシアの象徴だからでしょうか。
HPだけはやたらと高く設定されています。

 

 

 

自動で進行するカジュアルなシミュレーションだが、思わず見てしまう

戦闘は育てた戦術人形たちによって、基本的に自動で進行します。
一部、スキルの発動くらいは手動設定にすれば自分で介入できる形。
とはいえ、基本は周回なども含めて、自動で戦わせるシーンが多くなるでしょう。

 

ただ、この戦闘のテンポが非常に良く、スキル発動のカットインもさくさく動くため、つい見入ってしまいます。
さらにスピードアップを図るなら、先述の発動カットインを始めとした画面演出を消すこともできるので、機動性はさらに向上。
こういうカスタマイズできる部分の多さも、プレイヤーの多様な考え方に配慮していて好感触ですね。

 

人形たちは銃で撃ち合うのですが、残酷なゴア表現などは一切ありません。
バリバリと撃ち合っても体に穴は開かないし、手榴弾で絵的にえげつないことになる心配も全くなし。
倒れる時も「やられたー」という感じでちびキャラがどたーんと倒れるだけです。

 

人形は基本的に使い捨て。
でも、記憶や経験はバックアップしてあるので、「死」という概念すらも飛び越えているのかもしれません。

 

もっとも、それだからこそ、復帰不可能なシチュエーションが訪れると、「完全に消滅してしまうかもしれない」という恐怖が猛烈に襲いかかってくるわけです。
そうしたシナリオの妙も、ドルフロの魅力となっています。

 

独自の世界観のもとで進行する骨太のストーリー

というわけで、今度は物語について見ていきましょう。
メインストーリーは「AR小隊」という、とあるラボで作られた特別な戦術人形4人を中心に展開していきます。

 

プレイを開始して最初に入るエピソード、すなわち第一戦役のタイトルは「目覚め」。
キャプションとして「どれだけの間眠っていたか、知りたい?」と付記されています。
かくして、グリフィンの中でも特殊な状況にある、「失ったら取り戻せない少女たち」の戦いは始まるのです。

 

ただ、メインストーリー以上に猛烈に力が入っているのが、先の項目でちらりと触れたキャラストーリー。
これがすべての戦術人形に用意されていて、条件を満たすと読むことが可能になります。

先程挙げたAK-47で言えば、とんでもない飲んべえであることが明らかになり、「さすがソヴィエトロシアの象徴だ」という気分にも。
さらに読み進めると他の銃、すなわち他の戦術人形との関係性が明らかになってきますので、このあたりはぜひプレイして読んでみてほしいですね。

 

そうした力の入ったテキストのおかげもあって、熱烈なファンによるファンアートやショートストーリーの制作が行われています。
ええ、当然、エッチなイラストもありますよ?
とりわけ、★2のサブマシンガンであるMP40には熱狂的なファンがいて……。

 

 

MP40はナチスドイツで製造され、良くも悪くもナチスの代表的な銃のひとつと言えます。
このため、戦争映画を始めとして、007やインディ・ジョーンズといった有名な映画にも登場。

マンガでもナチスの残党が出てくる「ヘルシング」などで描写され、フォルムを見れば「この銃か!」となるパターンが多い一品と言えるでしょう。

そんな銃なので美少女化したらショートヘア金髪ドイツっ娘なんですが、軍服の高いデザイン性や濃厚なキャラストーリーも含めて、「熱烈なファン」を生み出しやすいと言うことでしょうか。

 

 

 

陸においてドルフロに勝るものなし

ドールズフロントラインは育てる楽しみがあるゲームであるとともに、「個性に満ちた物語を読む」ゲームでもあります。
かつてソーシャルゲームはとにかくシンプルなのが良いとされていましたが、昨今は『FGO』の衝撃的な売れ行きからもわかる通り、「時間と資金を投資するに値するコンテンツ」が評価される傾向にシフトしてきたと言えるでしょう。

 

それはもちろん単純なゲームシステムを否定するものではありませんが、より高品質でキャラクター性を描き出すゲーム。
言い方を変えれば、「コンテンツとして優秀なゲーム」が求められるようになってきていると分析できます。

 

この点において、ドルフロはその刺激的な世界観や物語の展開、キャラクター1人1人の丁寧な取り扱いによって、重要な位置を占めるに至りました。

とりわけ陸戦を取り扱った美少女化ゲームではトップに位置しているとさえ言ってよく、今なお意欲的な施策や新しい戦術人形などを投入しているところから見ても、今後も注目は必須のタイトルと言えるでしょう。

 

なんとなくで敬遠していた方も、「実は楽しめるんじゃ?」と思っていただけたなら幸いです。
ぜひ一度お試しを。
気楽に始めて適当にデイリーミッションをこなしているだけでも、いつしかハマってくるものですよ。