【御城プロジェクト:RE~CASTLE DEFENSE~】炎上落城からのカムバック賞を果たしたアプリ

『御城プロジェクト:RE~CASTLE DEFENSE~』。
だいぶ長いタイトルなので、基本的には『城プロ』と縮めて呼ばれます。
実は歴史は古く、前身の『御城プロジェクト』は2014年11月にサービスを開始しています。

開発も運営もDMM.com。
正確にはDMM GAMESが開発し、DMM,comで配信ということになりますね。

 

しかし、このゲーム。
世界各地の名城を扱うゲームの宿命か。
それとも『艦隊これくしょん』のブームに乗って急いで作った一夜城だったからか。
かなり数奇な運命を歩みました。

 

そう、艦これとはまるで違うタワーディフェンスにも関わらず、進撃する先はさながら嵐の大海原。
ゲーム業界で生き残ることの大変さを教えてくれるゲームでもあるのです。

 

いったい、城プロに何が起きたのか。
むしろ、何を起こせなかったのか。
現在の魅力を踏まえながら、考えていきましょう。

 

 

 

一度はサービス休止に追い込まれながら、よみがえった不屈のゲーム

実のところ、城プロはスマホアプリとして始まったわけではありません。
もともとはPCでのブラウザゲームとして開発され、市場に配信されました。

 

艦これの作ったブラゲーブームに乗りつつも、独自路線を開拓している期待感を得た城プロ。
事前登録の段階からかなりの評判となり、多くの登録者数を集めました。
でも、期待とはすなわち「順風にも逆風にもなりえる存在」だったのです。

 

果たして、不安は現実のものとなりました。
初めて迎えたイベントの理不尽な難易度に、ユーザーから不満の声が噴出したのです。まさしく炎上です。
また、当初から城プロにはタワーディフェンスとしての完成度が低いという意見もありました。

蓄積していた不満は一気に爆発し、大幅なアクティブユーザー数の減少を招きます。

 

こうした数字は、当然、運営側でダイレクトに観測しています。
それはまた同時に、現場より上の人間にも共有される情報ということ。

リリースから5ヶ月。城プロはあえなくサービス休止となりました。
しかし、その見事な「落城」はサービス終了と同義だ、と誰もが思っていました。

 

鉄道と同じです。
利用者数が少なくなって、電車を走らせなくする時には、「廃止」とは言いません。

「休止」と言うのです。
需要が回復した時に、すぐに復活できるようにという方便ですね。

 

無惨に散ったコンテンツもまた、自らの敗北や失敗を積極的には語らない。
サービス休止というのも、その方便に過ぎない。誰もがそう思っていました。

 

しかし、1年後、城プロは戻ってきました。
それが今回の『御城プロジェクト:RE~CASTLE DEFENSE~』というわけです。
これぞ天守閣再建といったところでしょうか。

 

 

 

美少女化した日本や世界の名城たちとともに戦おう

城プロは『城プロRE』として帰ってきてから、タワーディフェンスゲームとしての品質向上を図るとともに、登場する城娘たちのバラエティも豊かにするよう努力してきました。

当初は日本の城郭が中心だったのですが、次々にマイナーな城郭や海外の城郭も投入されたのです。
中には実在しない、創作の城として有名なものまで参戦しました。

例としては、アーサー王物語に見える伝説の都、キャメロット城です。

ゲームとしての強みを引き出しつつ、キャラクター性を補強していく。
まさしく王道の「再建築」となったわけですが、見事に信頼と実績の積み直しに貢献しました。

 

では、キャメロットの他にはどのような城が参戦しているのでしょうか。
国内外の登場城郭について、代表的なところを並べてみますね。

・熊本城
・小田原城
・二条城
・長谷堂城
・名胡桃城
・足利学校
・浦添城
・セゴビアのアルカサル
・フォンテーヌブロー宮殿
・ユクエピラチャシ

レアリティを様々、知名度も様々で選んでみました。
濃いと思いません?

「そんなのもいるのか!」という驚きが、出会いのたびに湧いてくることでしょう。
正直な話、「セゴビアのアルカサル(スペインのセゴビアにあるアルカサル。アルカサルはスペイン語で「城」)」や「ユクエピラチャシ(アイヌの遺跡。チャシは砦の一種と考えられている)」はこのゲームで初めて知りました。

 

 

 

 

やりこみ要素たっぷり、歯ごたえあるステージが待っている

城プロの評価の高さは、ゲーム部分の完成度から大いに生まれています。
もともと旧城プロで「とんでもなく課金してる人しかクリアできない状況」を生んでしまった大反省。

これを活かし、「無課金者でも楽しめて、頭脳的プレイによって戦局を充分に覆しうるバランス」を整えたのです。
もちろん、城娘を育てないなどメチャクチャな状況で突破はできませんが……。

 

ああやったら、上手くいくかもしれない。
こうやったら、完全クリアもいけるかもしれない。

 

そのように試行錯誤する楽しみ、突破できるという希望が上手く提示されています。
城娘の持つ武器も、オーソドックスな刀や槍のみにとどまらず、槌、盾、弓、鉄砲、果ては法術まで、とにかく多種多様。

上記に挙げたのですら一部だけなので、ゲームの戦略性は無限大に高まっています。
逆に言えば、力押しだけでは突破困難なステージもあるというわけですね。

 

これらの装備可能な武器種に対応した良い武器を作る。
また、城娘に武器とは別枠で装備させられる施設を作る。
これによってさらなる強化を果たし、攻略の打開策となることもあります。

「良いキャラを集めて、漫然と育てて前線へ送り出す」

勝てません、これでは。
そういう意味で、究極の脳トレアプリであるとも言えるでしょう。

本家はブラウザゲームで、iPhoneとAndroidのアプリ版は後発ですが、操作性は非常に優れています。
課金アイテムのアプリ版とPCブラウザ版での共有は不可能なので、どちらメインでプレイするかはしっかり考えて始めましょう。

 

 

 

キミだけの推し城を見つけるんだ!

このゲーム、実は低レアリティの城娘もかなり使えます。
愛でもって無理して使うなどせず、普通に戦力として活用できる。
つまり、好きなデザインや声、あるいはスキル持ちの城娘を存分に育て、存分に活躍させることができるのです。

 

もちろん、高レアリティはさらにとんでもない強さだったりしますけどね。
最後に物を言うのは、プレイヤーの緻密な戦略です。
それくらいに良いバランスをしています。

 

正直に言って、ネットで流れてくる「これができたらIQ130!?」などといった売り文句のテストより、よほど頭を使うでしょう。
敵は思わぬところからやってきます。
それこそ意外な攻撃手段を用いてくることもあるはずです。

 

このような相手にトライアンドエラーを繰り返す。
まさしく城を作るようなコツコツとした作業で、念願の勝利を収める。
達成感が前身を包み込みます。

 

そうした戦いの中で、気になる城娘が出てくるかもしれません。
その来歴を知りたくなり、意味深なセリフがどういう由来を持っているのかを把握したくなる。

城郭というのは特にマニアックな方面の沼ですが、そういうハマり方をするのも面白いのではないでしょうか。
まして、かわいい女の子の姿をしているなら、そのとっつきやすさも飛躍的に増大していようものです。

 

ゲームから始まるアカデミック!
良い学びというのは、遊ぶように修めること。
そんな喜びさえも提供してくれる、面白いゲームが『城プロ』なのです。