【アクション対魔忍】一般向け対魔忍、まさかのスマートフォンアプリ市場に襲来

4月1日なら、間違いなくウソだと思ったでしょう。
それくらいに衝撃的でホンマかいなと思わせられるのが、『アクション対魔忍』のリリース告知でした。

東京ゲームショウ2019に出展し、実際に動いている。
ホンマかいなとみんな思いながら、ビッグネームのスマホアプリ参戦に、とりわけネットの好事家たちが沸き立ちました。

 

果たして、2019年12月24日。
本当に同作品はリリースしてしまいました。

予定されていた通りの「クリスマスイブに感度3000倍の対魔忍が降臨」したことにより、トレンドワードはまたたく間に関連ワードでジャック。
令和になって初めて迎える聖夜が性夜になるという、衝撃的な事態が発生しました。

 

衝撃はなおも終わりません。
その2日後、海外アーティストAu5の楽曲をゲーム内で無断使用していたため、運営元のGremoryが謝罪しました。

これについて、Au5は「宣伝ありがとう!」と皮肉たっぷりのコメントを公開。
リリースからわずか2日でやらかすという、良くも悪くも歴史に残る離れ業を見せつけました。

 

と、さも『対魔忍』なるものが誰にとっても既知の単語であるように書いてきましたが……。
「それって何よ?」という方のほうが多数派であろうと思います。
ですので、そちらのカバーを行わせていただきつつ、アクション対魔忍の魅力にも触れさせていただきたいと思います。

 

 

 

そもそも対魔忍シリーズとはいったい何なのか

アダルトゲームを制作しているブランドに、LiLiTH(リリス)という団体があります。
株式会社インフィニブレインが2003年に設立し、2020年現在も運営を続けています。

このLiLiTHは5つのレーベルを有しており、そのうちのひとつである「BLACK LiLiTH」の看板タイトルが『対魔忍シリーズ』です。
その源流は2005年に発売された『対魔忍アサギ』であり、シリーズを通してアブノーマルなプレイが主流でした。
(「BLACK LiLiTH」レーベル自体がそういう性癖向けの作品を集めた存在でもあります)

 

2005年の『対魔忍アサギ』から、最新の2019年『アクション対魔忍』まで。
シリーズに数えられるナンバーは、14年間でなんと19作も出ています。
対魔忍シリーズが掲げる「死線のエロス」。それほどに「エグいエロスなら対魔忍」と言われるほどの代名詞となりました。

 

というより、それほどの「ハードエロ」でありながら、まさかの全年齢アクションゲームへの挑戦です。
確かに、2018年には『対魔忍RPG』を基本プレイ無料のゲームとしてリリースしましたが、これにしても「一般版と18禁版の並行リリースおよび運営」という形でした。

そもそも売り文句が「今日から俺が対魔忍だ!!」というトンチキすぎる代物な上、18禁版はしっかり対魔忍しているので、純粋な一般ゲームとして登場するなど考えられなかったのです。

 

 

 

クリスマスイブのトレンドを独占した対魔忍

そんな中で、『アクション対魔忍』は発表されました。
ジャンルは「近未来くノ一アクションRPG」。

 

誰もが目を剥きました。
何しろ同年の2019年4月、対魔忍シリーズの第18作目は『ママは対魔忍』がリリースされていて、こちらは「ママが近未来くノ一だったアドベンチャー」という、ある意味でいつもの対魔忍だったからです。

それが、わざわざ株式会社Gremoryという別法人にまで独立させて、広く受け入れられる形で登場する。
深くコンテンツを知る人ほど驚愕を受けた理由が、なんとなくおわかりいただけたかと思います。

 

そして、2019年12月24日。
クリスマスイブで世間がほんのり幸せに包まれる中、彼女たちはやってきました。
ツイッター公式アカウントが配信を記念して投稿した画像には、こんな文言が。

「対魔忍のみんな 本当にありが対魔忍」

狂ってる……。
スマホゲームアプリとして、3Dアクションの分野では『崩壊3rd』が代名詞でした。

なので、ツイッターでは「これが汚い崩壊3rdか」「下品な崩壊3rd出たな」と言われる始末。
もはや原作を考えると、罵倒するほど愛になるという歪んだ状況が生まれます。

 

かくて同日のトレンドワードには「アクション対魔忍」や「感度3000倍」というとんでもない単語が乱舞。
ゲームの完成度も東京ゲームショウのパイロット版から進化しており、ユーザーに好評を受けたのも大きかったと言えるでしょう。

 

 

 

プライベートルーム機能がカオスすぎてやばい

リリースの数日前には事前登録者数25万人を達成。
その期待に応えた形のアクション対魔忍。
しかし、「意外と遊べるアクションゲーム」で終わるほど、対魔忍の世界は甘く有ありません。

 

配信されたゲームに触れたユーザーは、序盤をクリアするとある機能が解放される事実に気が付きました。
まだベータ版の文字も取れていない、「プライベートルーム」なる機能。
なんとそこは対魔忍の3Dモデルに思い思いのポーズを取らせることができる、無限の遊び場だったのです。

 

その後、プライベートルームは進化を続け、プレイヤーも様々に遊んだ画像を投稿するようになります。
2020年3月には公式がツイッターにて「#プライベートルームを自慢し対魔忍」での画像投稿キャンペーンを主催。

現在もツイッターの同タグでは、ある意味で混沌とした職人の技が展示されていますので、ぜひ見てみましょう。
巨乳美人が「それどういう精神状態で考えたん?」というポーズを取らされまくる様は、まさしく魔界のサバトにも通じるものがあります。

 

 

 

世界に戦いを挑む対魔忍の先鋒こそ『アクション対魔忍』

様々な意味で想定外。
しかし、規格外を提供するという意味では、間違いなく対魔忍。
15年に渡って培ってきたブランドイメージを守りつつ、一般向けの大海原に漕ぎ出した同シリーズ。

 

それはとてつもなく大きなチャレンジだったことでしょう。
しかし、成年向けゲーム市場は非常に厳しい状況下にあり、生き残りをかけての新たな市場の模索と考えるべき壮挙でした。

 

今や時代は広く世界を顧客として考えるべき時が来ています。

逆に言えば、「アメリカンドリーム」「ジャパンドリーム」「チャイナドリーム」といった一国の内需に頼るような状況ではなく、全世界70億が取引相手となるような表現とマーケティングを模索する。
そうした先進性が求められているのです。

 

その点において、スマートフォンアプリへの進出という策は非常に有用であり、かつ激しい戦いの中に身を投じることでもあります。
アクション対魔忍はこの厳しい世界へと旅立ちました。

果たしてこの輝きがどこまで広がるものか……。
「猛烈な性癖が行き着く先」を見届ける意味でも、重要なコンテンツであることは間違いないでしょう。