【天華百剣 斬】KADOKAWAが贈る豪華要素てんこもりの一作

「電撃G’s magazine」を旗艦として、様々なコンテンツが生まれてきました。
中でも代表格は『シスター・プリンセス』でしょうか。

1999年に誌上ゲームとして初登場した、「1人の兄と12人の個性豊かな妹たち」というコンセプト。
それはさながら、現在のバラエティ豊かな少女たちが色とりどりの花を咲かせる先駆だったかもしれません。

 

以後、妹たち1人1人にクローズアップしてイラストストーリーを連載するようになったシスプリ。
旧メディアワークスのメディアミックス作品の経験値は、ここで大きく積まれることになりました。

それから、メディアワークスはアスキーと合併し、さらにKADOKAWAに吸収合併されました。
今や巨大企業のブランドカンパニーのひとつとなったアスキー・メディアワークスですが、蓄積されたノウハウは非常に優れたものがあります。

そんな「KADOKAWA アスキー・メディアワークス」が贈る、新しい時代の美少女たちのメディアミックス作品
それが『天華百剣』であり、ゲームアプリの『天華百剣 -斬-』です。
ちなみに、検索で「天華百剣 -斬-」と入力してしまうと、「斬を省いて調べるんですね」と検索エンジンが判定してしまいます。記号「-」の罠……。

 

 

 

刀剣モノは『刀剣乱舞』だけじゃない

天華百剣は実在の刀剣をモチーフとした少女である「巫剣(みつるぎ)」たちを中心に、「銘治(めいじ)」の世で起きる様々な出来事をめぐるストーリー。
そう聞くと、真っ先に『刀剣乱舞』の名前を連想される方が多いのではないでしょうか。
刀剣をモデルにしたゲームの先駆者として、やはりこのタイトルを避けて通ることはできないでしょう。

DMMゲームズとニトロプラスが共同制作した刀剣乱舞がリリースされたのが2015年1月。
実在の刀剣の付喪神である刀剣男士たちを収集し、戦いに挑むというコンセプトは、女性向けであるにもかかわらず、性別を問わずに広い年代で支持を受けました。

その影響たるやすさまじく、刀剣を展示している博物館や美術館では特別展を実施するほどの盛況ぶり。
古美術としての刀剣という文化の再発見としての役割をも担ったのです。

さて、話は本題に戻って、天華百剣プロジェクト。
こちらは2015年5月に電撃G’s magazine誌上にて発表されました。
あら、影響を受けたのかしら……と思ってしまうタイミングですよね。

『艦隊これくしょん』が多くのミリタリー擬人化美少女化を生んだように、『刀剣乱舞』もまた多くの事物の擬人化や美男子化、美少女化フォロワーを作りました。
天華百剣も、その大いなる流れのひとつに組み入れられるかもしれません。

ですが、さすがに天下のKADOKAWAにして、ノウハウを有したアスキー・メディアワークスです。
メディアミックス作品を扱うという地力と覚悟が違いました。

 

プロジェクトの発表から数ヶ月はコツコツと誌面や公式サイトにて、天華百剣の世界観やキャラクター紹介を続け、その認知度向上を図ります。
翌年に入り、電撃G’sコミックにて公式マンガの連載をスタート。
以後、電撃ブランドの各雑誌にて、様々なアプローチからの公式コミックの連載を始めます。

 

そうしたシェアード・ワールドのような雰囲気を出す様は、まさしく電撃G’s magazineが培ってきたものの集大成と言えるでしょう。
同時に、小説も連載および単行本を発売し、世界への深みを確保。
これらの流れの一環として、2017年4月に登場したのが『天華百剣 -斬-』なのです。

 

 

 

ユーザビリティの高さがすばらしいぞ

『天華百剣 -斬-(以降は天華百剣と表記します)』はパブリッシャーがDeNAで、開発元としてあまた株式会社がクレジットされています。
こちらは『FINAL FANTASY AGITO』や『インペリアル サガ エクリプス』、さらには『パズル&ドラゴンズ』の初期開発にも携わっていたという実力派の会社。
そうした実績ある開発の背景もあり、天華百剣は非常に優秀なユーザビリティを誇っています。

 

このゲーム、「美少女剣撃アクションRPG」にして「ベルトスクロールアクションゲーム」というジャンル説明の通り、メインの戦闘では横スクロールでちびキャラがざくざく戦うことになります。

これが非常にわかりやすい。
チュートリアルが充実しているのもありますが、一目見て何をどうすればいいかがよくわかるのです。

 

さらに、ステージの攻略を進めることで自動戦闘機能が解放。
この自動戦闘の戦い方が優秀で、基本的には戦いを任せてしまって問題ないレベルです。

さらには自動戦闘は倍速にすることが可能なため、周回もサクサク。
ストレスなくプレイを続けられる設計となっています。

 

 

 

年々トンチキになるエイプリルフール企画

キャラクター造形の上手さも、もはや天下のKADOKAWAなだけありますね。
非常に多くの巫剣が登場するのですが、彼女たちは一振り一振りが実に個性的で、見ていて飽きません。
声優さんも実力派を起用していて、フルボイスでのストーリー展開に華を添えます。

 

メインシナリオもイベントシナリオも楽しいですが、何より突出して「変」なのはエイプリルフール企画でしょう。
1年に数日しか公開されない企画をピックアップするのもおかしいかとは思いますが……。

言ってみれば異形である敵が、やたらコミカルに会話をする徹底したコメディ仕立て。
しかも、最初の年はまだ真面目な始まり方だったのに、3年目ともなると「今年もまたエイプリルフール企画でしょ」と、メインキャラクターである城和泉正宗がメタなセリフを言う始末。
これはもうライターさんたちのやりたい放題、無礼講デーといった趣です。

 

そう、このゲーム、とにかく制作陣の作品世界の理解が深まってきたからか、最新のものになればなるほど面白さが増していっているのです。
これほど今から始めるのに適した要素はありません。

ソーシャルゲームの常として、新規イベントが定期的に開催されるのですが、これがとても個性を生かしていて良い感じ。
さらに、復刻イベントも高頻度で開いてくれるので、限定巫剣を取り逃した方や新規の方にも優しい仕様となっています。

 

 

 

 

「金貨」と「輝桜石」を使い分けよう

課金とそれを取り巻くシステムについてもご紹介しましょう。
天華百剣には「金貨」と「輝桜石」、2種類のアイテムが登場します。

これらはいずれも同じ機能を持ち、ガチャを引いたり、巫剣の所持数を拡大したり、巫剣に装備させる刀装の所持数を増やしたりといったことに使用できます。

大きな違いはその入手ルートで、輝桜石はシナリオクリアやログインボーナスなどで手に入るのですが、金貨は課金でしか手に入りません。
そう、輝桜石が無償金貨という考え方をすれば、非常にわかりやすいですね。

 

なので、使用する優先度にはご注意を。
金貨限定のお得なガチャやアイテムセットなども売り出されたりするので、うかつなところで金貨を使ってしまうのは非常にもったいないです。
せっかく課金したからには、相応のものに投資しなければいけません。

 

逆に言えば、輝桜石で手に入るものは輝桜石でがっちりキープしていくこと。
これを守ることで、自ずと戦力の強化と最適化を図ることができます。

 

おっと、重要なポイントを書き忘れるところでした。
天華百剣には様々な巫剣が登場しますが、レアリティはURとSRの2つしか存在しません。
少女たちはみんな高レアだ、という潔さ。すばらしいですね。

 

パラメータ的にはやはりURのほうが高いのですが、SRの巫剣も充分に強いです。
URだけで全属性を揃えようとすると、やはり課金が前提になってくるので、SRで愛でられそうな子を見つけて、がっつり育ててあげましょう。