【崩壊3rd】もはやソーシャルゲームも映画級になれるという証明

中国のmiHoYoが送り込んできたそのゲームは、リリース当初からユーザーの度肝を抜きました。
あまりにも、それまでのスマホゲームアプリの常識を超えていたからです。

 

「とんでもないグラフィックだ」
「キャラクターが自然に動いてアクションが楽しい」
「アニメーションもまるで映画級に動いている」

 

こうしたコンテンツが海の向こうで生まれたことこそ、中国のデベロッパーが持つ可能性の輝きを指し示しているのかもしれません。
スマートフォンでも「アクションゲーム」は可能である。
そう証明したこのゲームの名前は、『崩壊3rd』。
『崩壊学園』というロングセラーから派生した、気鋭のタイトルです。

 

 

中国が生んだ美麗グラフィックのアクションゲーム

とにかくグラフィックが桁違いに綺麗。
インストールからの初回ダウンロードを始めると、やたら高品質なアニメが流れ……。
チュートリアルが始まると、とてつもなくクオリティの高い3D画面に突入し……。
かつては「スマホゲーでそんな描写は必要ない」「そもそも実現する技術がない」と言われた高みへ、崩壊3rdは到達しているのです。

 

グラフィックには、ユーザーを魅了する力があります。
かつてFF7やFF8が発売された時、人々は度肝を抜かれました。

メタルギアソリッドシリーズでもそうでしたし、Skyrimでも息を呑みました。
まるで実写みたいだというインパクトは、やがてこんな世界へ行ってみたいへも心を飛躍させます。

 

もしも、映画ロード・オブ・ザ・リングが雄大な中つ国の自然を描写しきれていなかったら、その評価は大きく変わっていたでしょう。
あらゆる表現手法において、映像技術というものは誰にでもわかると同時に、広く心を掴めるファクターなのです。

 

崩壊3rdはその点において、大きくクリアしている。
こういうことが言えるでしょう。
視覚に訴える力は何よりも雄弁。
「とりあえずインストールしてみるか」を達成するパワーになりえるのです。

 

 

爽快アクションで敵を蹴散らせ!

そうした美麗な世界の中で、華麗なアクションを決められるところにも魅力があります。
操作は複雑ではありません。

左手でキャラクターの移動を行い、右手で各種攻撃と回避を行う。実にシンプルです。
コンシューマのゲームとまるで変わりません。
むしろ押すボタンは少ないくらいです。

 

その簡単な操作で、驚くくらいに痛快な連撃が放てる。
ちょっとしたストレス発散です。

そういう受け皿は格闘ゲームが担っていましたが、玄人が多くなった今では、むしろストレスの種にすらなってしまっているのが現状。
ならば、別のところに「ぶちのめす癒やし」を求めるのは悪いことではありません。

 

戦えるステージもメインのみならず、過去をたどる編年史や広いマップを移動するオープンフィールドまで。
それぞれで新規キャラの獲得も可能なので、攻略する楽しみが湧いてきますよ。

 

もっとも、戦闘システムの中で、「QTE」などはちょっと操作が複雑ではあります。
慣れるまでは上手くいかないかもしれませんが、それだけに極めれば戦術の幅は広がり、爽快感はさらに上積み間違いなしです。

 

 

 

新規ユーザーにはありがたい「戦乙女招集」と「新艦長補給」

開発しているmiHoYoは「日本オタク」を自認する集団。
それはエンタテインメント界における激戦区であるソーシャルゲームで、どうやれば有利に戦えるかを知っているということ。

 

そのために大切なのは、いかに新規を取り込むかであり、またせっかく来てくれた新規にどうやってリピーターになってもらうかであると言えます。
これはゲーム分野に限らず、あらゆるマーケティングの基本であり、究極の命題ですね。

いつまでも新規客だけで続けてはいられません。
しっかりお得意様になってもらって、経営を続けるための屋台骨を担ってくれるようにしなければならないのです。

 

最近のセールスのコツ、それこそダイレクト・レスポンス・マーケティングでは「集客」の次の段階として「教育」なんて言い方をしていますね。
ちょっと上から目線な雰囲気を感じる単語ですが、物事の性格をよく表していると言えるでしょう。

 

では、崩壊3rdが最も重要視している新規勢の引き止めと「ベテランへの教育」は、どうやっているのか。
それは「戦乙女招集」や「新艦長補給」に代表される、新規プレイヤーへの徹底した優遇施策です。

 

いずれも特定のレベルになるまで、新しいキャラや育成アイテムをもりもり貰えるありがたいシステム。
他のゲームでもスタートダッシュボーナスのような形で配布することはあるのですが、崩壊3rdはとにかくその手当が太い。

あ、こんなに歓迎されるなら、続けてみようかな。

 

そんな気分にさせられるのです。
基本的に、安定期に入ったゲームは、どうしても古参を優遇したくなるものです。

だって、多くのベテランユーザーは課金してでも残ってくれていることが多いですからね。
良い卵を生むニワトリは保護したくなるもの。反面、新規はちゃんと残ってくれるかどうかさえわかりません。

 

でも、何度も述べる通り、新規が入らなくなったコンテンツは衰退するしか道がなくなるわけです。
優遇のバランスを考えながらも、双方にとってメリットになるように調整していかなければいけない。

これはゲームを運営する側にとっては多大な負担です。
うっかり新規を優遇しすぎると、かつての携帯電話のように「MNPして渡り鳥になったほうが断然得」という状況が生まれ、既存ユーザーが大いに不満を持ってしまうわけですから。

 

崩壊3rdは、そこを上手くやっています。
とてもユーザーフレンドリーだと言えるでしょう。

 

 

東アジアにおけるソーシャルゲームの新たなる地平

ソーシャルゲームの黎明期、それはさながらファミコンが登場したころのバブルに似ていました。
低予算で作りまくって、当たるを幸いに乱造して勝負する。

スマートフォンが登場し、できることが増えてからも、基本的な構造は変わりませんでした。
ゆえに、コンシューマやパソコンの本格的なものと比べて、あくまでもお手軽に楽しむ暇つぶしの一種に過ぎないと考えられていたのです。

 

そして、それは過去の話となりました。
今やソーシャルゲームは娯楽産業の重要な要素として、その地位を確立しました。

ユーザーは自国だけでなく、地域レベル、果ては世界レベルでの奪い合いが当然となっています。
とりわけ東アジアにおけるゲーム市場の動きは活発で、日本や韓国が先行していたところに、とてつもない勢いで中国が迫り、いくつかの企業はトップクラスにまで躍り出ました。

崩壊3rdや崩壊学園を擁するmiHoYoもまた、トップランナーとして自他ともに認める企業と言えるでしょう。

粗製乱造の時代は終わり、ひとつひとつのコンテンツを大切に育てる時代の到来です。
崩壊3rdもリリースしてから3年目。
ですが、その輝きは洗練され続けるグラフィックを筆頭に、一向に衰えることはありません。

 

向上し続けるゲームこそが、愛されるゲームになる。
単純で当然に思えるこの原則を守ることこそ、成功の秘訣であることを、このゲームは教えてくれているのです。